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12億の民が暮らす広大なインドは、多民族、多言語、多宗教、カースト制度等を背景に、北と南、西と東では人々の顔や話す言葉、生活様式、文化も異なる、重層的で複雑な表情を持つ大国ですが、その一端をインド女性の民族衣装サリーに垣間見ることが出来ます。

各州によって全く異なる特徴の手織り、手刺繍、染色の布が使われ、素朴さな力強さが魅力的な綿から、豊富な装飾材を使った豪華なシルクに至るまで、それらは布好きにとってため息がでるような、見飽きることがない素晴らしい世界です。

 古代よりインドは「布の宝庫」とされ、17世紀にイギリスをはじめとする欧州の人々を強く魅了したインドの綿糸キャラコや手織りが、現代のファッションの世界に道を開いたと言っても過言ではないでしょう。

サンサールには僅かですが、各地の布のコレクションがあります。ホームページでは、カンタの商品をメインに取り扱っていますが、その他にもインドやバングラデシュの布など、訪れた先で出会った美しい手仕事の布です。
ここでは、いくつかの刺繍やその技法を楽しんでいただければと思います。地方により様々な特徴があります。
気になるものは、当店の展示会で見て頂くことができますので、是非、マンション展や各地の展示会へお出かけください。

 

カンタの魅力はその単純な一針一針から生まれる、気の遠くなるような作業の先にある、見事な図柄の数々でしょう。伝統柄の持つ素朴さ、それと同時に洗練された幾何学模様の高度なデザイン性、意表を突く新鮮な色使い、直線縫いの力強さは、身にまとうことによって更にその輝きを増します。

カンタ布を使った、「和」にも「洋」にも使える一点もののストールや洋服、日傘、バッグ・・・をご紹介します。

シャドーワークという名前で知られる、400年の歴史ある北インドのラクノウ(lucknow)のチカン刺繍は、36種類のステッチと糸の太さの違いで様々なパターンが生まれます。モスリンやオーガンジー等の白木綿に白糸で刺繍したのが始まりですが、現代では素材もさまざま、糸の色もカラフルになって、繊細で透明感のある仕上がり感が魅力です。

もとはインドのベンガル地方の東部エリアが、東パキスタン時代を経て、1971年にバングラデシュとして独立後、貧しい女性の収入源として伝統的なカンタにノクシ(文様)を施したノクシカタが商品化されました。イスラム特有の幾何学模様、生命の樹などの力強く魅力的なモチーフが多く見られ、図柄のまわりを埋め尽くす地刺しが立体感を深めています。

スーフ刺繍とは、インド西部のグジャラート州カッチ地方に見られる伝統的手刺繍の一つで、パキスタンのシンドゥ地方から移り住んできたスーフ族が継承するためスーフ刺繍と呼ばれています。

その特徴は、布地の裏から針を刺して表に細かい図柄を描き出す独特の手法で、三角形を使った連続的な幾何学的パターンの刺繍は、世界でも最も美しく精緻な手仕事の一つと言われています。

カシミアはインド北部のカシミール地方に生息するカシミヤ山羊の毛を使った織もので、軽くて暖かい高級天然素材を代表する織物です。別種の山羊のごく細い毛で織られたものはパシュミナとも言いますが、現在日本での表記はカシミアに統一されているようです。繊細な細いカシミヤ素材にイスラムのデザインを手刺繍したものは、カシミールの誇る伝統的な熟練の手業です。

ミラーワーク刺繍は、インドの西部の砂漠地帯のグジャラート州のもの。砂漠の大地に色鮮やかなミラーワークの

民族衣装が映えて、目を瞠る世界です。

小さなミラー(ガラスではなくスパンコールのようなもの)を刺繍糸で縁取りして縫い止める手法で、光るミラーは他人からの妬みや恨みの視線を避ける、野生動物から身を守るなどの意味があるとされます

世界各地で自然発生的に生まれたと見られる絞りがありますが、インドの絞りは5000年前から始まっていたと言われ、北西部のグジャラート州のバンダニ(鹿の子絞り)が有名です。結婚式に絞りのサリーを着ると花嫁の未来は明るいと信じられているそうです。

  

インドのパッチワークは西海岸沿いのエリアで、アフリカからの移民や奴隷の人々によって受け継がれてきたkawadiという、小さな布を縫い合わせてベッドカバーなどに仕上げるカラフルなキルトが多く、また古布やビーズ、金糸をあしらったラジャスタンの象のモチーフの壁掛けもよく見られます。

インドの民族衣装サリーは、幅1,2m、長さ5~6メートルほどの細長い布をひだを作りながら巻き付けていくファッションで、1枚の縫製されていない「布」でありながら、「服」であるという特異な衣装と言われています。

通常のサリー生地は綿やシルクで、各地の特徴的な織りや手刺繍、絞り、更紗、ブロックプリント等・・インドの手仕事がいっぱいの美しい布ですが、経済発展の著しいインドでは日本の着物同様に日常に着る機会は減っているようです。

むしろ、私たち日本人や欧米では一枚の魅力に溢れた手仕事の布として、高く評価されています。最近の日本では、共布のブラウスを着て布を巻き付けるだけの優雅なパーティードレスに、また壁掛けのインテリアや、1点ものの手刺繍の洋服に・・・と様々なシーンで登場するようになりました。

歴史ある豊かな手仕事の技が詰まったサリーは、布の宝庫インドを代表する貴重な『布』であり、また『服』なのです。
 

当店では、カンタのオリジナル製品を取り扱っております。インドの手仕事の魅力をお楽しみください。
人気のストール・マフラー
手刺繍のストールやマフラーは、一枚の布でシンプルなお洋服を全く別の装いに変えてしまう魔法の布。当店で扱う巻物には大判のストールと手軽に巻けるマフラーがあります。
洋 服
サンサールのカンタ服は日本の縫製で、手仕事のカンタを使った一点ものです。どこかにカンタをあしらった、シンプルだけれど長く着て頂ける落ち着いたデザインに仕上げています。
日 傘
様々な色合いの動物や神様の伝統柄、農村風景、ひたすら直線の刺し子等、カンタのシルク布と厚手の麻を取り合わせたサンサールならではのオリジナル。UVカット率も高く、紫外線の強くなる春からも必須のアイテム。
着物帯
着物の好きな方は、世界中の手仕事の布を使った帯で楽しんでいます。日本の和装は異素材の布を取り入れ、カンタも素敵な帯に生まれ変わりました。お着物との相性の良さを実感して下さい。
雑 貨
カンタの布を使ってサンサールのメンバーが自分が欲しい、プレゼントしたいと思う小物雑貨を作りました。手軽に貴重な手仕事を楽しめる作品です。和の小物も取り揃えていきます。
バッグ
和とインドの技の融合のバッグです。カンタの布を使い日本の手技で仕上げたバッグは、和装にも洋装にもマッチするデザイン。時に主張し、時に控えめに、貴女に寄り添ってくれます。
  
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